見えない世界から見える世界へ
治療をする上で患者様は視覚的にご自身で見て納得、理解をされていないと治療には進むことはできません。従来型のパノラマレントゲン写真だけで「ここに悪いものがあるかもしれない」と「あるかも」と言われても患者様は納得して治療を受けることはできません。
その「あいまいだったこと」がCT画像により明確に「ここが炎症を起こしています、だから治療が必要です」と視覚的に見て納得されると患者様ご自身もご自分のお口の中の画像を目で見て悪い状態だなということを確認することができますので納得することができ安心です。
歯科の世界ではもはや見えないものを無理やり見ようとする時代は終わったと思います。
CT撮影や歯科用顕微鏡マイクロスコープなど、「今まで見えなかったものが見える世界」がもう現実となっています。見えないものが見え始めたことにより従来よりずっと効果的な治療が可能になります。
もちろんCT撮影や歯科用顕微鏡マイクロスコープなどは自由診療(特定の条件を満たしたときだけ保険算定可能)ですが、
病巣部位がどの歯?を治療しなければならないのか?
病巣が何本かある根のどの根?にあって,治療しなければならないのか?
病巣の根の入り口がどこ?にあってどこから治療しなければならないのか?
病巣の根がどのような形態か?を知ってどのように治療しなければならないのか?
それらの情報を知らずに治療するのでは,まったく違う治療結果や治療期間になります。
その情報がわからない手探りの状況で治療するとさらに悪化する残念な結果になってしまうことが多くなります。
例えば、歯を残す神経の治療でCT撮影や歯科用顕微鏡マイクロスコープは特定の条件を満たしたときだけ保険算定可能です。
その条件とは既に何度か挑戦してみたけれども何カ月も改善が得られずに根の先端を切除しなければいけない状況にまで進行した場合などです。これはすでに手遅れと申し上げてもいい状態なのです。
歯の治療は何度もできません。抜歯になってしまいそうな状況になってから根の状態が分ってもできることは本当に少ないです。
大事な根を傷つけないためにも治療前に情報が必要だと考えます。イメージ的には暗闇で山奥深くに行くのに、迷路のような道を地図もナビも無い状態で突き進み,何度も道路から脱輪し,川に落ちながら車を走らせるようなものです。
さらには道を破壊してしまい、明るくなっても通ることが許されない状況になって進むことすらできずに諦めなければいけないそのようなイメージです.
撮影料はわずか2万円/回で地図もナビもライトも手に入るのです。とても有意義な検査です.
歯科用CT RevoluX(iCAT)
吉本歯科医院ではiCAT(アイキャット)社製歯科用CT(RevoluX)を導入しています。
この歯科用CTの撮影は非常に短時間(20秒程度)で完了します。このCT装置は、歯やあごの骨を立体的に細かく診断できるだけではなく、従来の歯科用CTではできなかった骨質(骨の固さ)の診断を正確にすることができる最先端のCT装置です。
インプラント治療を受ける患者様には、かつては総合病院へ高額な医科用CTを撮影に行って頂いていました。吉本歯科医院ではオールオン4というインプラント手術をした日に仮歯まで装着という特殊なインプラント治療を求めて四国各地から多くの患者様が来院されています。
従来はインプラント手術後一定の待機期間(3ケ月から半年程度)を待たないと仮歯を装着することができませんでした。院長吉本彰夫は、オールオン4治療開発者であるポルトガルのマロ―先生のもとで学んだ日本人歯科医師の一人です。オールオン4治療の勘どころは硬い骨質の部分にインプラントを埋入することです。そのため骨量診断を行うため医療用の高額なCTにて撮影が必要なため患者様には総合病院まで撮影を受けに行って頂いていました。今回、待ちに待ったこの骨質診断によるCTを導入することができました。
CTのデータを用いて、インプラント治療を予めシュミレーションするソフトも使用しています。コンピューター上でどの位置にどのようなインプラントを埋入するか、事前に計画を立てます。その計画した部位にインプラントを誤差なく入れるためにインプラント用ガイドを作成します。
歯科用CTについて
CTとはコンピュータを駆使したデータ処理と画像の再構成で、レントゲン断層写真を得ることができる装置です。従来の歯科のレントゲンは、2次元(平面)画像でしたが CTは3次元(立体的)に見ることができるので、正確な診断に役立ちます。また、既に一般的なレントゲン診断装置である医科用CTに比べて、歯科用CTは短時間のX線照射(被爆量は医科用の1/8)や歪の少ない繊細な画像を得ることなどが特徴です。
歯科用CT撮影によるメリット
1.見えなかったものが見える(従来のレントゲンとの違い~立体で把握~)
従来のレントゲンでは2次元の平面画像しか得られません。一方、歯科用CTを用いると3次元の立体画像が得られるので、平面画像ではわからなかった歯やあごの骨の詳細な立体構造や神経の位置などを精度高く把握することができ、より適切な診断・治療が可能になります。
2.診断の精度が上がり、安心、安全な治療につながる
一立体画像で確認できるので、インプラントだけでなく、親知らず、顎関節、腫瘍、矯正、歯周病、治りにくい歯根の治療など幅広く歯科治療に応用でき、治療の安全性が高まります。例えば、インプラントの手術においては、インプラントを入れる部分の 骨の形、厚み、深さ、骨質(硬さ、軟らかさ)、周囲の重要な神経血管などとの距離を計測することができるため、事前にシュミレーションして安全で適切な手術方法とインプラントの種類を選択できるようになります。イメージ的にはマンションの柱が硬い地盤まで届いていないと弱いですよね。実は骨の硬さは重要です。
他の歯科用CTとの違い
1.正確に骨質を把握
他の歯科用CTは歯やあごの骨を立体的に把握することはできるものの、骨質(硬さ)のついて正確に把握することはできません。
一方で、当医院の歯科用CTは骨質(硬さ)を正確に計測できるため、骨質(硬さ)を事前に把握することが可能です。骨の骨質(硬さ)を事前に把握しておくことが重要なインプラント治療には特に有効です。
2.金属の影響を除去
従来のCTでは金属の周りが黒くなってしまい
骨の周りの骨の状態が把握できにくいことが多かった。
黒いので被せ物周囲が柔らかい虫歯の場合、誤診してしまう可能性がありました。イメージ的にはカメラ撮影のストロボフラッシュの光量が強すぎて境目がわからなくなるようなものです。専門用語ではアーチファクトと言います。これは高額な医科用CTでも避けられませんでした。実は販売sしているアイキャット社は別機種CTも販売していますが2022年現在この機能は搭載されれていません。つまりアイキャット社のCTであればいいということではありません。この機種のオプションという特別な機能なのです。
吉本歯科医院の歯科用CTは金属の周りでも
骨の状態を診断することができる。
口の中は体の他の部分とは違い、歯の詰め物や被せものとして金属があります。金属はX線を通しにくいため、その影響でこれまでのCTでは周りの骨の状況が把握できないことがありました。当医院の歯科用CTは金属の影響を除去するプログラムを搭載していますので、他のCTでは金属の影で映らない部分の骨でも診断することができます。
さらに安全なインプラント治療の実現へ
吉本歯科医院では歯科用CTとインプラントシミュレーションソフトとの連携によりさらに安全なインプラント治療を行っております。
診断および治療計画
CTで撮影したデータをインプラントシミュレーションソフトに取り込み患者様の顎の骨の硬さや顎の形、そして重要な神経の位置などをより詳細に確認し診断することが可能になっています。
実際の手術の際には診断結果をもとにインプラントをより精度高く埋入できるようサポートする「インプラントガイド」を作製します。より安心安全なインプラント手術を実現するとともに手術時間を短縮できるため患者様のご負担も軽減します。
あらゆる歯科治療もより安全に正確に
吉本歯科医院の歯科用CTは、さまざまな治療で有効に活用することができます。
根尖病変
デンタルではわかりづらい根尖病変や樋状根が、3つの直交するCT画像で診ると明らかに把握できる。
根尖病変
根尖側半分が黒くなったデンタルをCT画像で診ると、重篤な骨欠損状態とわかる。
歯周病
プロービングでは深いポケットとわかるが、デンタルでは骨欠損がわかりづらい。しかし、CTでは骨欠損、どの歯の根のどっち側が問題なのかが一目でわかる。
骨欠損
下顎右側56番の近心部分においてデンタルでは認識できない歯冠周囲の骨欠損がCT画像では診えてくる。
インプラント
金属アーティファクトであまり見えなかったインプラント周囲が、RevoluXでは格段にクリアに見える。
埋伏歯
パノラマでは把握しにくい過剰埋伏歯の状態をCT画像では様々な角度から診ることで把握できる。
水平埋伏歯(濾胞性嚢胞)
水平埋伏歯の歯冠と濾胞性嚢胞や、歯根と下顎管との関係が把握できる。
顎関節
顎関節の形状や関節腔まで把握できる。
わずか20秒で撮影完了
CT撮影というと大掛かりな撮影を想像されるかもしれませんが、当医院の歯科用CTは短時間(20秒程度)で撮影が完了します。もちろん痛みも何もありません。
お身体への負担の少ない低被曝
CT撮影には被ばくが伴いますが、当医院の歯科用CTは低被ばくを実現した装置です。医療用CT装置の15分の1程度の被ばくで安心して定期的に撮影していただけます。